第四話 その2
今回はドラマとは関係ありません。
前回、中国料理の料理名は、大体が、材料、調理法、切り方等の組み合わせだ。
と言いましたが、それ以外に、東坡肉(dōng pō ròu)や 過橋米線(guò qiáo mǐ
xiàn)のように料理にまつわる故事から付けられた料理名も沢山あります。
壁に料理の故事来歴を掲げているお店も少なくありません。当然、中国語ですが。
北京オリンピック前のお店には外国人用に英語で書いたメニューがありました。
「夫妻肺片」を「夫と妻の肺の薄切り(Husband and Wife's lung slice)」
「童子鶏」を「性生活のないニワトリ(Chicken Without Sexual Life)」
「マーボー豆腐」を「あばた面の女性が作った豆腐(Bean curd made by a pock-
marked woman)」などなど。これを見た外国人はさぞかし驚いたことでしょう。
なんでニワトリがCherryかどうかわかるの?
Ans(翌日から雌鶏を追い掛け回します。なんでも雄鶏の性欲は凄まじいらしい。)
Cherryと非Cherryは料理の味に違いがあるの?
Ans( 経験豊富な熟女が食べれば判るかも。 ウソ )
こっそり隠れてやった早熟の鶏は料理に使えないの?
Ans(他の雄鶏からチキンと罵られます。終いには自殺してしまいます。 ウソ)
などの疑問が沸いてきて当然でしょう。
「夫妻肺片」は牛モツ炒め、「童子鶏」は若鶏の蒸し煮、のこと。
「マーボー豆腐」の誤訳をしたのは中国人自身なのです。
オリンピックをひかえた北京の犬肉を提供するお店は政府により外国人の目の届かぬ
場所へ強制的に引越しをさせられた。これは欧米文化に迎合し、自国の食文化を
否定するのは、まさに自殺行為に等しい。私は犬肉を食べたのは一度きりですが、
中国人、韓国人の犬肉食を支持します。
食べたい物を、食べたい時に、食べたいように食べる。そうして伝承してきた食文化は
何人たりとも止めさせることは出来ません。食文化はその国の生活環境、宗教観、
強いては政治思想とも密接にLinkしています。自分が食べないから他人も食べるな
といちゃもんをつけるのは欧米人特有の傲慢といえるでしょう。
私は今、中国語学習の総括として日本の捕鯨に関する文章を作成中です。
完成したらUPします。
『孤独のグルメ』の冒頭のナレーション:
時間や社会に捉われず幸福に空腹を満たすとき、束の間彼は自分勝手になり自由になる。誰にも邪魔されず気を遣わず物を食べるという孤高の行為こそが現代人に与えられた最高の癒しと言えるのである。(後日、中文でUP予定)