第11話 Season1 最高“傑作” 爆表了
根津の街に降り立った五郎さん、受け取ったはがきを見ながら、その差出人の店に向か
います。五郎さんの訪問にお店のオーナーは「五郎さんが来てくれたということは、
ちゃんとはがきを読んでくれたのね。」字幕では「五郎さんが来てくれたということ
は、きっと花木ちゃんが呼んでくれたのね。」これはもう、誤訳度メーター測定不能で
す。中国語では爆表了(bào biǎo le)測定器が爆発したと表現します。
私がこのブログを書こうとした動機はこのフレーズを見つけたからです。
食事を終えたお客が女将に「あっそうだ!今日さとうさん来るんだよね」
字幕では「あっそうだ!今日さいとうさん来るんだよね」
この苗字を敢えて平仮名で書いたのは、私もどの漢字使って良いのか判らないほど
さとうさんがあるからである。砂糖さんの苗字も存在するらしい。
さいとうさんは漢字の微妙に違う斉の字が多くあり音声だけでは判断できない。
さとうさんをさいとうさんと間違っても、ドラマのストーリーには何も影響ないので、
中国人にとっては差不多(chā bu duō)ってことか。
五郎さん、お店をぐるりと見回して、「こんな店をざっかけない店というんだな」
字幕では「雑貨店みたいだなあ」(誤訳度★★★) どんな店やねん!
ざっかけない:あまり聞きなれない日本語だが、江戸弁で、粗雑な;荒っぽい;
の意味。大阪弁なら、ざっくばらん。←(標準語にもあるかな??)
ざっくばらん:心の中をざっくり割って、ばらりと曝わすところから。;
無精者の髪型から、全然、取り繕わないことから。
第十話 浮雲? 浮藻?
五郎さんが某大学のキャンパスを散策中に、発声練習をしている少女達を見つける。
少女達「あめんぼ赤いなあいうえお、うきもに小蝦もおよいでる、・・・・」
字幕ではうきもを浮雲と訳している。確かに、水面に映る白雲の情景を想像することが
出来るが、それなら水中の蝦は見えないはずではないか、緑色の浮藻と卵を産みつけよ
うとする無色透明の蝦のコントラストの方が視覚的ロジックが成り立つ。
「肉じゃが」という言葉は何度か出てくるが、土豆焼牛肉になっているが、
一度だけ土豆炖牛肉になっている(画像)これが正解。
中国料理では煮込みの時間で名前が変わる。 炖は煮込み料理。
中国で生活するようになって、いろんな地方の日本人とも交流するようになり、
同じ日本料理でも、地方によって材料、作り方が違うのが判った。
関西では肉じゃがには牛肉を使うが、関東では豚肉らしい。
中国では牛肉が高くて不味いので豚肉を使うが、三枚肉(中国では五花肉wǔ huā
ròu)を使うと格段に旨くなる。しかし三枚肉は脂が多いので脂抜きの工程が必要だ。
帰国時に牛肉の肉じゃがを食べても、もの足りない感じがする。
第九話 そばはそばでも・・・
五郎さんが最初に注文した3品が日本語の字幕で説明が出る。
「タコの広島ネギとゆずポン酢」は広島ネギを調味料としてとらえるならこれでいい
が、食材としてとらえるなら「タコと広島ネギのゆずポン酢(がけ)」だろう。
しかし、一人でこんな注文はしないだろう。まず、一皿を注文して食べて、又、一皿、
やはり今回は食べ過ぎ。私論:料理は皿に盛られた時から徐々に不味くなり始める。
広島のお好み焼きはうどんかそばが入る。五郎さんはそばを注文するが、中国語字幕で
は蕎麦面(qiáo mài miàn)と出る。(誤訳度★)
蕎麦面はザルそばやかけそばのそばであって、広島お好み焼きでは使わない。
中国にも小麦粉にかん水をを入れ練り上げた面、鍼面(jiang mian )がある。←正解
五郎さんがお好み焼きを食べ始めようとテコを持った瞬間、テコは既にソースの様なも
ので、汚れている。(上の画像の直後の映像ではっきり確認できる)
多分、スタッフが出来上がったお好み焼きを撮影するとき、そばにあったテコを使って
位置調整やトッピングの配置直しをしたのだろう。
第八話 ジンギスカンって何?
五郎さんが見つけた焼肉屋の看板「つるや」で朝鮮焼肉と判る。
どう言う訳か横浜の鶴見、大阪の鶴橋には在日が多い。「鶴;つる」の字が付く店は在
日が経営する店が多いようだ。
戦後、鶴橋に住む在日が屠殺場で牛の内臓=捨てる物(大阪弁:放る物;ほるもん)を
もらって食べたことから、ホルモン焼きと言った。
今でも、鶴橋にはホルモン屋とパチモンのブランド品を売る店が多くある。
大阪市内では最も凶悪犯罪の多い危険な場所でもある。
しかし、よく食べましたね五郎さん。五郎さんの大食いはこの回から始まった。
ジンギスカンと言えば日本人なら大体の人が知っている羊肉のことだ。
以前、北海道に旅行し、ジンギスカン鍋を食べた時に店員が「昔、蒙古軍が遠征時に
鉄兜を鍋の代用にして羊肉を焼いて食べたのが由来」と聞いたが、実際、現地にはそん
な料理は存在せず、満州事変の時に日本人がモンゴルで食べられていた羊肉を焼いた
料理に命名した。字幕では日本語台詞通り、そのまんま成吉思汗(chéng jí sī hàn)と
翻訳している。これでは中国人には判らないだろう。ちょっと調べれば判ることなの
に、手抜きをした結果だ。
それにしても韓国語メニューはきっちり翻訳できている。翻訳者は朝鮮族か?
原作者久住が指摘しているが、カッテキ、レハー焼、イカサン、等のお店のメニュー、
の日本語表記が違っている。朝鮮人は濁音や半濁音の発音が苦手と思っていたら、
書いた字にまで影響しているとは・・トホホ。
第七話 味を増す汁
味噌汁(wèi ceng zhī)を味増汁(wèi zēng zhī )
味を増す汁 ととらえれば、これもありかも。
70円の割引券を手にして「しぶいな」
中国語字幕では 70円本当にけちん坊だな
五郎さんはこの後、「古き良き吉祥寺がこの店に集約されているみたいだ。」
と言っているので、けちん坊の意味ではないと思います。
又、実在する店で撮影してこんなことを言うはずはないと思いませんか。
パスタを意式細長麺、スパゲッティを意式寛麺と翻訳。(誤訳度★★)
これは五郎さんも認識不足です。「これはパスタではなくスパゲッティだ。」
と言っています。この違いを説明できる人は多くないでしょう。
パスタは小麦粉を練り合わせ成型したもの、
スパゲッティ、マカロニ、フィットチーネはこの中に含まれる。
私は40年前名古屋に移り住んだ頃、名古屋の食文化に馴染めなかった。
特に、味噌カツ、味噌煮込みうどん、味噌おでんは今でも敬遠したい。
名古屋にはなごやめしなるものが存在する。
上記の他に、ひつまぶし、手羽先唐揚げ、てんむすなどが有名だ。
その他、名古屋独自のスパゲッティがある。あんかけスパゲッティとナポリタンだ。
あんかけスパゲッティはよこいとチャオが元祖争いをしていると聞いた事がある。
よこいのあんかけスパゲッティのソースは店でもスーパでも買うことが出来るが、
自分で作っても店の味にならない。麺の茹で方と炒め方に秘密があるらしい。
又、名古屋ナポリタンは他の地方と変わっていて、ステーキ用の鉄板に盛られてい
る。熱した鉄板に調理済みのスパゲッティを盛った後、溶き卵を上から流し込む、卵が
鉄板の上でクレープ状になり、トマトケチャップの濃い味を緩和してくれる。
このナポリタンも麺の茹で方に秘密があるが、内緒! 名古屋ナポリタンは一般、
喫茶店で提供される。ごはん、味噌汁、サラダが付いたナポリタンセットもある。食後
のコーヒーは割引価格になっていて、名古屋人が好きな言葉「お買い得」なナポリタン
である。
名古屋ナポリタン あんかけスパ
第六話 バッタモン
00:43
日本語の台詞:とんだバッタモンじゃないか。
中国語字幕:これ、壊れているよ。(誤訳度★★)
バッタモン の意味は関西人なら判るが、その他の地区では判らない人も多い、
ましてや中国人なら、尚更。
「ばった」は「投げ売り」を意味する古道具商の隠語であった。
そこら、商品を格安で 売る店を「バッタ屋」と呼ぶようになり、
正規ルートを通さず仕入れた商品、倒産会社から差し押さえた
商品を売る店もそう呼ぶ ようになった。 その他諸説あり。
バッタ屋でパチモンも売っているのでバッタモンとパチモン
をよく混同する人がいるが、意味は違う。
企業の決算前にバッタ屋に行くと、正規品がとんでもない値段で
入手出来る時もあったが、今は奴らはネット販売に変わってしまった。
小学生の頃ある先生がずーとこれを言っていた。
女性1:馬を水辺につれていけても、水をのますことはできない。
女性2:なにそれ
01:16
女性1:あなた知らないの、ことわざよ
中国語字幕:あなた知らないの、みんな大人よ。(誤訳度★★)
たぶん、成語を成人と書き間違えた単なるケアー・レス・ミスと推測。
第五話 吹毛求疵(あら捜し)
誤訳はあるにはあるのですが、たいした間違いではありません。
お賽銭を香銭 神社では線香を焚きませんので香銭ではない。
ドラマの題名が間違っています。
五郎さんの食べたのは、親子丼ではなく親子重です。丼鉢に盛り付けられたが、親子丼
です。親子丼は鶏肉と卵のぶっかけ飯と見たまんま翻訳しています。
五郎さんがお店を出て、親子ずれを見かけて「親子か、親子丼 何と温かい名前だ」と
つぶやくが、鶏肉と卵のぶっかけ飯ではへんですね。
中国語では丼もお重も蓋飯(gài fàn)です。中国ではお重を見かけたことが
ありませんが・・
★ 丼物を美味しく食べる方法 ★
最近、丼物を注文すると丼の蓋なしで出てくるお店があります。
以前は必ず蓋のうえに沢庵か柴漬が乗っていました。
ご飯と上に乗せられた具が蓋をすることで蒸らされ丼鉢全体が融合します。
テーブルに丼が運ばれてきても、すぐに蓋を取ってはいけません。
少なくとも2分は待ちましょう。
両手の親指を蓋にのせ、残りの指を鉢の腹にあて、一気にひっくり返せば
蒸らし効果がUPします。でも気をつけてください。汁だくのお店もあり
大変な事になります。以前、ある店でカツ丼を注文し、出てきたのは
丼の半分から下は汁の洪水状態でした。「これはカツ丼ではなくカツおじやだ」
と言って店の主人と喧嘩をしたことがあります。汁だくは丼の邪道です。
汁のかかったご飯と、汁のかかっていない白いごはんを交互にいただくのが、
美味しい食べ方です。
うな丼と比べうな重のほうがうなぎとご飯を平均的に食べられるので私は好きです。
最近はプラスティックのお重を使う店がありがっかりします。お重はなんと言っても
漆でなければいけません。漆は殺菌作用もあるそうです。
★ うな重の食べ方 ★
うな重がテーブルに運ばれてくると、いきなり蓋を取って、ど真ん中に箸をいれ
食べ始める人がいます。これは駄目です。うなぎの場合、最初に蓋をとって
山椒をふりかけ、再び蓋をして2分待ってから食べ始めます。蓋を開けたとき山椒の
香りがたまりません。まず、お重の手前のうなぎとご飯を小指の2関節位の所に横一文
字に箸を入れ、下一段分のブロックを作ります。そのブロックの左端から一口分づつを
取って食べ、下一段を食べ終わったら、お重の上側に箸を入れうなぎとご飯を引き寄せ
ます。そう、パソゲーのブロックくづしの要領です。
こうすればお重の中のご飯を一粒も残さず食べられます。
五郎さんの食べ方がすごく気になります。
彼は決してグルメではありません、只の大食いなだけです。
箸使いを見ると、小さいころあまり裕福な家庭ではなかったのではと推測します。